404号室の設計士、机上の探査録 / Records by Armchair Architect, Room 404

建築巡りが趣味の筆者がおすすめしたい、国内外の建築・街並み・ランドスケープを有名無名問わず集めています。 デザイン・アート好きな方、旅行好きな方の情報収集源として活用いただけると嬉しいです。

建築探査【埼玉】Architecture in Saitama, Japan

盈進学園東野高校 / クリストファー・アレグザンダー
 
 
 
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よるがはじまる ・ わたしの通った学校は、東野高等学校といい、その校地のぐるりは一般農家の牛舎、豚舎、鶏舎、そして緑々とした茶畑に囲まれ、授業中でもそこから漂ってくる、おどけた(笑)香りでその時の風向きが解るような、非常に牧歌的なロケーションであった。 校内には太鼓橋の掛かった掘りがあり、ボートやガチョウ、アヒルが浮いていたし、教員棟には寝惚けた犬があくびしていた。 制服や校則は無く、当時は一般的でなかった週休2日の、選択授業制。 勉強こそしなかったが、「自由というものこそ何よりの自制になる」 若く多感な時期に、わたしはそこで何より大切な事を学んだのだと思う。 1985年にクリストファー・アレグザンダーによって設計された校舎は、約2万坪に及ぶ自然を生かした広大な地に何棟にも分かれ建ち並び、その様子は集落であり、さながらひとつの村のようであった。 それは「パタンランゲージ」という手法で、「単語が集まって文章となり、詩が生まれるように、パターンが集まってランゲージとなり、生き生きとした建物やコミュニティを形成することができる」という考えのもと、建築・都市計画にアレグザンダー自身が提唱した理論だった。 中でも大講堂や体育館は「戦後最大の木造建築」として認定され、当時の建築業界にも話題を呼んだ。 それらも去ることながら、石造りの古代遺跡のように優美なアーチを描いた多目的ホールや、クラス毎に戸建てになった木造長屋風の教室軍、それらの建物をつなぐ石畳の回廊や、白い漆喰で塗られた幾重にも立ち並ぶ柱の美しさには目を見張るものがあった。 不便な田舎にあるにも関わらず、都心から通う生徒が多数で、それを逃すと大変な事になるのは周知だったので、最終のスクールバスが出る時刻はまるで空気に泡が立つようだった。 日が沈み、辺りが静まり返るころ、生徒も居なくなり、すっかり静まり返った校内はまた違う顔を見せてくれた。 それは不思議なほどの「高まり」で、廃墟となった遊園地のように、取り残された喧騒が残像となり、こだまするようなイメージ。 酪農の匂いが色濃く漂い始めた回廊に、ポツリポツリと灯された灯り。 それを頼りに、何とも言えない哀愁が集まり、その様子はギュッと胸を締め付けられるようであった。 あの校舎のお陰で、日常の何でも無い、普段の高校生活が、どんなにいとおしく感じられた事か。 一般的には「文化祭」と称される「村祭り」では後夜祭で職人が何発も花火を打ち上げる。 中でも池に落とされる枝下花火は水面にも映り込み、それは見事であった。 5月には空に沢山の鯉のぼりがたゆたう。 それをすまして鼻で笑っても、イキがって反発しても、どんなに背伸びしたって、「あなたたちは「東野」にとって、みんな、いつまでも可愛い「子供達」なんだ」という気持ちの表れなのだろうと感じていた。 そんなわたしの母校は今は無い。 あの日、背をもたれて語らった木製の窓枠は、老朽化を理由に利便性を優先し、アルミサッシに。 赤々と燃えるストーブから離れられなくなる寒い日、昼寝した机の痕が頬に残るような暑い日、季節と共に過ごした教室にはエアコンが設置された。 来ることも、行くことも、飛び越える垣根は「自由」だけだという事を誇りに設計された校舎には、押し付けがましい「安全性」という名の柵がされた。 明るいオレンジ色に、「マイペース」をシンボルとしたカタツムリのイラストがファニーだったスクールバスは、生真面目なブルーに角張った書体で新しい学校名がプリントされていた。 一言で言うなら東野は進学高校になったのだ。 教師である前に、血の通った「人間」だった恩師達は「東野」でなくなってしまった学校、或いはその方針を見限るかしたか、今は去り、ほとんど残っていない。 わたしたちの帰る母校はもうどこにも存在していない。 わたしのルーツがパタンランゲージ、木造建築に強く置かれたのも、その面影を追ったものだったかもしれない。 取り残された卒業生達は口を揃える。 それが在校生には心無い言葉となるのは解る。 時代の持つ、様々な背景があるのも解らなくもない。 だけど、今夜も月はのぼる。 わたしたちが愛した美しきあの学舎よ、 そんな醜態を曝すなら、闇と共に、いっそひと思いに消えてくれ。 #木造建築 #戦後最大 #パタンランゲージ #ログハウス #ログ #盈進学園東野高等学校 #建築 #クリストファーアレグザンダー#東野高校 #東野高等学校 #盈進学園東野高等学校 #東野 #高校 #木造 #卒業生 #田舎暮らし #分校 #村祭り #酪農 #自給自足 #ナチュラル

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建物名 盈進学園東野高校
設計者 Architect クリストファー・アレグザンダー Christopher Alexander
用途 Type 高等学校 High School
竣工年 Year 1985
SV
地図 Map
URL https://eishin.ac

 

あけぼの子どもの森公園 ムーミン屋敷 / 村山建築設計事務所
 
 
 
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Tove Jansson AKEBONO Kodomo no Mori Koen Park in Hanno, Saitama Built in 1997 There are some architectures there, one of them is "Mushroom House". The house is designed on an image of a home, welcoming visiters like members of a family. Designed by Takekazu Murayama, an architect, also designed two more architectures in the park, and houses, kindergartens. One of major industory of Hanno is producing timbers. Nice timbers are used in the house. Fantasy spaces inside the house will attract you like an adventure! トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園(飯能市) 子どもが探検するように遊べる自然豊かな、市の公園です。 飯能は材木で栄え、今も西川材の生産を行っています。 公園内の素敵な建築にも、材木がふんだんに使用されています。 きのこのような家は ムーミン屋敷 屋根裏あたりまで階段で上がれ、あちらこちらに工夫が施されており、子どもだけでなく大人も楽しめる空間です。 設計は村山雄一氏 この公園内の他の2つの建築も設計した他、幼稚園や住宅などの設計作品があるようです。 Please hashtag your Saitama-architecture pics to #architecturesaitama for your chance to be featured. 埼玉の素敵な建物の写真に #architecturesaitama #埼玉たてもの散歩倶楽部 タグをお願いします🙇 #architecturesaitama #トーベヤンソンあけぼの子どもの森公園#tovejanssonakebonokodomonomorikoenpark #ムーミン屋敷#mushroom #村山雄一 #takekazumurayama #hanno #architecture #archilovers #建築 #埼玉モダンたてもの散歩 #saitamamodernarchitecture #modernarchitecturesaitama #埼玉たてものトラベル #saitamatatemonotravels#埼玉たてもの散歩倶楽部

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建物名 あけぼの子どもの森公園 ムーミン屋敷
設計者 Architect 村山建築設計事務所
用途 Type
竣工年 Year 1997
SV
地図 Map
URL https://www.city.hanno.lg.jp/akebono/

・設計者の村山雄一はシュタイナー思想の研究者としても知られています。バックグラウンドを知ると、この特異な造形には妙に納得してしまいました。(2020.3)